本文へスキップ

DSPCはシニアや障害者福祉・地域コミュニティ作りを推進

若年性認知症EARLY-ONSET DEMENTIA

2014年、65歳未満で発症する若年認知症の人の生活調査で、
就労経験のある人の約8割が、自主退職や解雇で仕事を辞めていたことが分かりました。
経済的な苦境に追い込まれがちな実態が浮き彫りになっています。
このページでは、若年認知症の有病率、基礎疾患、就労状況など
厚生労働省等の調査資料を基にまとめました。


若年性認知症の就労状況

  「認知症介護研究・研修大府センター」が調査実施
  愛知、大阪、岡山、長崎など15府県の医療機関及び
  介護施設などに調査票を送り、2129人の生活状況に
  ついて担当者らから回答を得たもの。

  対象者の年齢層と性別
  61〜64歳:1208人(最多)、56〜60歳:547人
  男性:1,200人、女性:922人、無回答:7人

  就労状況
  働いた経験がある:1,411人(うち1,250人は無職)
  解雇された:119人

  定年前に自己退職:996人(合計79.0%が失職)
  定年退職:135人。

  仕事をしている:161人(全体の11.4%)

  家計状況
  とても苦しい、やや苦しい:40.2%(本人家族調査:2129人中、了承を得た383人)

  発症時に仕事をしていた職場の対応
  配慮が無かった:19.5%(労働時間短縮、配置転換などの配慮が無かった)

(参考文献:2015.05.6_朝日新聞記事)

   就労状況の大きい画像はコチラ


若年性認知症施策の取り組み概要(厚生労働省)

以下に挙げる若年性認知症の現状と課題を踏まえ、厚生労働省では、2008年の
「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」報告(平成20年7月10日)に
基づき、若年性認知症施策について様々な取組みが進められて来ました。

・若年性認知症の実態調査(有病率)
・若年性認知症の実態調査(基礎疾患)
・若年性認知症の介護家族に対する生活実態調査


若年性認知症の実態調査(有病率に関する推計結果)

  調査期間:2006年(平成18)〜2008年(平成20)
  65歳未満で発症する若年性認知症について
  全国レベルでの疫学的な実態調査が実施された。

  18〜64歳人口における、人口10万人当たりの
  若年性認知症者数は、平均:47.6人
  (男性57.8人、女性36.7人と男性が多い)
  全国の若年性認知症者数は、3.78万人と推計。
  30歳以降では、5歳刻みの人口階層において
  認知症全体の有病率は、1階層上がるごとに
  ほぼ倍増する傾向がある。

   有病率の大きい画像はコチラ


若年性認知症の実態調査(基礎疾患)

  調査期間:2006年(平成18)〜2008年(平成20)
  65歳未満で発症する若年性認知症について
  全国レベルでの疫学的な実態調査が実施された。

  ・脳血管性認知症(39.8%)
  ・アルツハイマー病(25.4%)
  ・頭部外傷後遺症(7.7%)
  ・前頭側頭葉変性症(3.7%)
  ・アルコール性認知症(3.5%)
  ・レビー小体型認知症(3.0%)

    推定発症平均年齢:51.3±9.8歳
    (男性51.1±9.8歳、女性51.6±9.6歳)

   基礎疾患の大きい画像はコチラ


若年性認知症の介護家族に対する生活実態調査

調査期間:2006年(平成18)〜2008年(平成20)
65歳未満で発症する若年性認知症について
当事者と家族が抱える問題の調査が実施された。

最初に気づかれた症状
もの忘れ(50.0%)、行動の変化(28.0%)
性格の変化(12.0%)、言語障害(10.0%)

若年性認知症の発症後7割が収入が減ったと回答されている。

家族介護者の状況など
家族介護者の約6割が抑うつ状態にあると判断され、
多くの介護者が、経済的困難、若年性認知症に特化した
福祉サービスや専門職の充実の必要性を望んでいます。

「調査対象および方法」
全国の若年性認知症の家族会々員等に対し、患者の症状、経済負担、雇用問題、
介護者の抑うつ及び介護負担度などに関する質問票により、アンケート調査を実施。


若年性認知症施策の現状と課題(厚生労働省)

・若年性認知症に対する理解の促進
・早期診断、医療、介護の充実
・雇用継続や就労の支援
・障害者手帳の早期取得や障害基礎年金の受給などに対する支援
        ↓
若年性認知症の人一人ひとりの状態に応じた支援を図る
体制を構築することが喫緊の課題となっている。