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DSPCはシニアや障害者福祉・地域コミュニティ作りを推進

KY活動とはKYT/Kiken Yochi Training

もともとは製造業などの業界で長年にわたって実践され、事故や災害防止に成果をあげてきました。 2025年問題をふまえ、介護分野において介護職人口の増加とともに労働災害等の増加が懸念されています。 ここでは、社会福祉施設(老人介護施設・保育施設・障害者施設)を対象とした「KY活動」の大切さを、 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署の資料を基に説明します。

KY活動とは?

  危険予知訓練(きけんよちくんれん)のことをいいます。
  これは、工事や製造などに従事する作業員が、作業中の事故や災害を未然に防ぐことを
  目的に、その作業に潜む危険を予想し、確認・指摘などする訓練です。

  ミーティングや職場内研修を通じ、現場における危険性の情報を共有することで、
  予測可能な事故や災害の発生を未然に防止させる仕組み作りがなされています。
  毎日の始業時や動作開始時に指差喚呼を行い、危険性の再確認をし、さらに安全性を
  高める行動も行われています。


KYは何の略称?

  KYは、ローマ字による表記「 Kiken Yochi Training 」の頭文字をとって
  KYT(ケーワイティー)、あるいはKY訓練/KY活動(KYK)とも呼びます。

  別の呼び名もあります。
  建設・土木業界ではTBM(ティービーエム)という呼び方が多く用いられています。
  「Tool Box Meeting (ツールボックスミーティング)」の頭文字をとったものです。
  これは、作業員同士が道具箱を囲んで打合わせることからこの名がつきました。
  作業前に作業予定、手順、安全の確認、留意点などについて打合せをして、
  事故や災害を未然に防ぐ仕組み(KY活動)です。


日本における、KY活動の始まり

  1973年、中央労働災害防止協会が派遣する欧米安全衛生視察団に参加していた住友金属
  工業(現在の日本製鉄)和歌山製鉄所の労務部長が、ベルギーのソルベイ社を訪れた際、
  交通安全教育用のシートに着目しました。
  社員が自ら危険を危険と感じることにより、各自安全行動に努めるようになると考え、
  社内にプロジェクトチームを結成。その成果としてKYTが誕生しました。


なぜ、社会福祉施設にKY活動が必要なのか?

  社会福祉施設は、老人介護施設、保育施設、障害者施設に分けられます。
  2025年問題をふまえ、特に老人介護分野においては介護に携わる人の増加が見込まれ、
  それに伴い、労働災害の増加が懸念されています。

  施設職員の仕事は利用者の生活に密着していて、食事・入浴などの生活支援と介助、
  生活指導など多岐にわたり、これらを限られた人員で対応しているのが現状です。

  こうした職場環境のなかで安全衛生対策を進めるためには、施設運営者、管理者、職員
  それぞれの持ち場や立場の任務と責任を明確にして、全員で取り組むことが必要です。


災害や事故のほとんどは不安全行動(ヒューマンエラー)が引き金

  これらの原因は人の不安全行動に関わるものが96.9%を占めているといわれています。
  また、通常の慣れた業務で起こりがちです。

  ≪不安全行動の原因≫
  (1)人間特性
  ・人間の能力ではできないという事象(非常に暗い・明るい、騒々しくて聞こえない)
  ・勘違い、考え違いなど判断の「錯誤」や「誤判断」によるもの
  ・ウッカリ、ボンヤリの見まちがいなど
  ・思い込み

  (2)教育・訓練不足
  ・安全な作業の進め方に関する教育や訓練が不足している

  (3)ルール違反
  ・決められたルールを守らない、近道反応、省略行為など


KYTの手法

  (1)指差し呼称で安全確認(〇〇ヨシ!)
  ・作業の要所要所で一人ひとりが行う

  (2)指差し唱和、タッチアンドコールで連帯感づくり
  ・朝礼や終了時にスローガンやKYTの確認項目を唱和して確認します
  ・タッチアンドコールは、仕事にかかる前やKYTの締めくくりに実施
   (輪になってタッチ、手を重ねる・各自の手をリング型に集める)

  (3)健康確認と適切な措置
  ・始業時のミーティングなどで、一人ひとりをよく観察し、具体的に問いかけて、
    健康状態を把握して適切な措置を行う

  (4)KYT基礎4R(4ラウンド)法
  ・チームでイラストシート等を使って、そこに潜む危険を発見・把握・解決する


「KYT基礎4R法」の進め方

  イラストシートに描かれた、職場や業務の状況の中に「どんな危険が潜んでいるか」を
  メンバーとの話し合いで問題解決の4つの段階(ラウンド)を経て進めていきます。

  1ラウンド(現状把握):どんな危険が潜んでいるか?
  2ラウンド(本質追及):これが危険のポイントだ!
  3ラウンド(対策樹立):あなたならどうする?
  4ラウンド(目標設定):私たちはこうする


ヒヤリ・ハットの活用

  誰しも、一度はヒヤリの経験があるはずです。
  ヒヤリ・ハット報告書の内容や、業務中に想定されるヒヤリ(想定ヒヤリ)など、
  みんなで共有し、同じヒヤリ・ハットを繰り返さないようにしましょう。


社会福祉施設における安全衛生対策(テキスト/厚生労働省)

  厚生労働省による、社会福祉施設における安全衛生対策のテキストを掲載しました。
  内容を4つに分けて添付しています。
  本ページに掲載した「KY活動」については、(4)KY活動をごらんください。

  (1)社会福祉施設における安全衛生対策 (PDF:3,519KB)

  (2)安全活動 (PDF:2,127KB)

  (3)腰痛対策 (PDF:32,995KB)

  (4)KY活動 (PDF:16,230KB)