中国湖北省武漢で発生した新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大。
令和2年/2020年2月11日、WHOは正式名称を「COVID-19」と発表しました。
日々のニュース・報道から目が離せない状況が続いています。
ここでは、厚生労働省などによる報道資料を基に、新型コロナの基礎知識編として
日常生活での必要情報、どんな人が重症化しやすいのか、感染と思われた時の対処
感染しないための予防法などを分かりやすくまとめました。
コロナウイルスの「コロナ」は「王冠」を意味し、
電子顕微鏡で観察すると、球形の殻にトゲトゲ状の
タンパク質が突き出している事に由来しています。
「王冠」というよりも「金平糖/こんぺいとう」と
表現した方が分かりやすいですね。この金平糖?の
内部にはウイルスの遺伝子が格納されています。
(左の画像はイメージです)
粒状の粒子の上に、コロナウイルス特有の冠状の
「スパイクタンパク質」が観察できます。
ヒトを含めて普通の生物の遺伝子はDNA(デオキシ
リボ核酸)で形成され、二重らせん構造(二本鎖)
ですが、コロナウイルス遺伝子はRNA(リボ核酸)
で形成され、一本鎖でできています。
コロナウイルスは(表面にある)トゲトゲを使い
宿主になる動物やヒトの細胞に取りついて、中に
侵入します。これがウイルスの感染です。
左画像:コロナウイルスの顕微鏡写真
(NIID/国立感染症研究所資料より引用)
大きい画像はコチラ
ウイルスは細胞内に侵入すると、小胞体という膜構
造の内部に入り込んで、宿主のタンパク質合成シス
テムをハイジャックして、細胞を変性させ、極めて
巧妙な仕組みで自己増殖を始めます。(自己増殖の
プロセスは複雑なので省略します)ウイルスが次々
と増殖していき、痰・咳・鼻水に含まれ、クシャミ
などによって宿主から飛び出します。他の人がその
飛沫を浴びることによって、ウイルスは次の宿主へ
乗り移っていきます。これが感染の拡大です。
左画像:新型コロナウイルスによる細胞変性像
(NIID/国立感染症研究所資料より引用)
大きい画像はコチラ
ウイルスに侵入された(宿主の)細胞は異常を察知
体内の免疫システム(防衛メカニズム)が作動して
ウイルスRNAを分解して除去しようとします。
ウイルスは宿主にとって異物タンパク質なので免疫
システムの警戒網にひっかかり、抗体による攻撃や
リンパ細胞による捕食によって退治されます。
これらが速やかに進行すると、もし症状が現れても
軽症で済みます。自分自身の免疫システムの保全は
ウイルス感染対策の重要ポイントと言えましょう。
左画像:緑はウイルスに反応した抗体、青は細胞核
(NIID/国立感染症研究所資料より引用)
大きい画像はコチラ
(1)飛沫感染(ひまつかんせん)
感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが体外に放出されて、他者が
そのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染する。
(2)接触感染(せっしょくかんせん)
感染者がくしゃみや咳など(飛沫)を手で押さえた後で、物に触れて付着したウイルスが
他者の手を経て口や鼻の粘膜から感染する。
濃厚接触(のうこうせっしょく)とは?
密閉された空間で感染者と長時間過ごすこと。(夫婦・家族間の感染など)
親しい人間関係以外での「濃厚接触の分かりやすい事例」
武漢に行ったことのない日本人が日本国内で発症した最初の罹患者(感染者)として報道
されました。この人は武漢からのツアー客を乗せたバスの運転手で、バスの中で乗客から
感染したと考えられています。密閉された空間で長時間にわたり感染者と過ごせば、感染
リスクは高まります。厚生労働省が注意している濃厚接触の分かりやすい例です。
言い換えれば、そこまでの接触がなければ感染のリスクを少なくできるということです。
これは新型コロナウイルスに限ったことではありません。
(この他にも予防対策は必要ですが・・・)
ウイルスは、生物以外の、机など「モノ」に付着した場合でも数時間は生存すると言われ
ています。感染者のクシャミなどによる飛沫が飛び、ウイルスがモノに付着。それを別の
人が触れることによって、ウイルスは新しい宿主として侵入し、感染が拡大します。
つまり、感染者からの飛沫を浴びたり、飛沫を含んだ空気を吸い込まなくても、感染する
可能性があるということです。
ウイルスの潜伏期間は、平均で3日間、最長では24日間になると、中国政府の専門家チー
ムのリーダーにより発表されました(令和2年/2020年2月9日)
これまで、潜伏期間は最長で14日、平均的には5〜6日とされていました。
主な症状は発熱、せき、息苦しさ、下痢です。風邪やインフルエンザとよく似ています。
肺炎を併発するケースが目立っていますが、多くの感染者は軽い症状で、さらには無症状
(不顕性感染)の感染者もいます。無症状の場合、感染者本人には自覚症状がないので、
元気に歩き回る(活動する)ため、感染を広める危険性があります。
左の図は「YES・NO」形式で新型コロナウイルスに
感染したかどうか?を判断する方法と、その後どの
ように対処したら良いか?を分かりやすく説明して
いますので是非参考にしてください。
(出典元:琉球新報/2020年2月11日)
新型コロナウイルスどうか?確定できない場合でも
家族や他者への感染を広めないために、マスク着用
人との接触を避けるなど衛生対策を忘れずに。
無理をせず、早期対処が重要ポイントです。
大きい画像はコチラ
新型コロナウイルスに限らず、さまざまな感染症は、心臓病など基礎疾患(持病)のある
人や高齢者といった健康弱者が重症になりやすいと言われており、特に注意が必要です。
しかし、基礎疾患の病態や免疫機能低下の程度について明確な基準はありません。
感染症に罹患しやすい人、重症に至るリスクの高い人(免疫不全をきたす疾患や病態)
高齢者、新生児、未熟児、心臓病、糖尿病、呼吸器系疾患、肝疾患(肝硬変など)
腎臓病、膠原病、HIV感染症、免疫不全症、重症外傷(けが)、広範囲熱傷(やけど)
医療行為による免疫低下(手術、抗癌剤、免疫抑制剤、放射線照射、カテーテル類など)
こういった、感染症にかかりやすい状況の人を、臨床医学では「易感染宿主/いかんせ
ん・しゅくしゅ」と呼ばれ、「易感染者/いかんせんしゃ」と言われる場合もあります。
太り過ぎ、やせ過ぎ、睡眠不足、お酒の飲み過ぎ、運動不足、不規則な食事、偏った食事
常にストレスを抱えている(精神的に不安定なときが多い)
このような状態が続く人は、病気に対する抵抗力(免疫力)が落ちて風邪もひきやすく、
治りづらいと言われていますので、新型コロナウイルスなど感染力の強い病気が発生する
季節では特に注意が必要です。生活習慣を見直し改善しましょう。
症状が出たら
他の人にうつさないために、マスクの着用を徹底。
家族と別の部屋で過ごし、なるべく接触を避ける。
感染者が触ったところから感染する可能性があるため、しっかり手を洗う。
指定された医療機関へ
電話で保健所や保健センターに連絡し、指定された医療機関に向かいます。
移動するときは、自家用車などを使用し、バスや電車、タクシーなどの公共交通機関は
利用しない(感染の拡大を防ぐため)
基本的な感染症対策
咳エチケット、マスク着用、手洗い、うがい
アルコール消毒(コロナウイルスやインフルエンザ
ウイルスはアルコールに弱いと言われています)
ソーシャルディスタンスを守る(三密回避)
密閉された空間を避ける(密閉)
人で混雑する場所を避ける(密集)
手の届く距離での会話・食事などを避ける(密接)
免疫力・抵抗力のある体づくりを心がける
睡眠時間を充分に取る。
適度な運動。
栄養バランスの取れた食事。
ストレスを貯めこまない。
無理をせず、心身の休息を取ることも大切です。
特に高齢者や持病のある方は注意を払って下さい。
大きい画像(感染対策のパンフレット)はコチラ PDF版:898KB
大きい画像(咳エチケットのパンフレット)はコチラ PDF版:861KB
大きい画像(手洗いのパンフレット)はコチラ PDF版:836KB
厚生労働省の報道などで予防法を知り「えっ、これ
だけでイイの?」と思った人も多いでしょう。
左のグラフは統計的にみた感染症対策による感染や
発症などの発生率の推移を表しています。基本的な
感染対策で半分以下になっているのが分かります。
感染経路を断ち、リスク回避することが大切です。
(引用:千葉感染制御研究所 感染対策研修資料)
大きい画像はコチラ
新型コロナの影響で、企業の経営状況が悪化することにより、働く人たちの収入減少
失業、生活の不安が高まっています。事業者においても売上減少によって資金繰りが
悪化し倒産も増えています。国や行政機関では、個人向け、事業者向けのさまざまな
支援策を講じており、それらを活用し窮地を乗り越えて頂きたいと願っております。
次のページでは、総務省/内閣府、厚生労働省などの新型コロナ関連情報に加え
経済産業省による事業者向け資金繰り支援、社会福祉協議会などの個人向け支援
などを体系別に掲載しております(外部リンク)ぜひお役立てください。
新型コロナ感染症(2)はこちら
〒130-0021
東京都墨田区緑3-3-8-705
E-Mail:info@dspc2007.com